▲個人情報を提供せずに、できるだけ的確に買取相場をつかむ方法を解説 ▲個人情報を提供せずに、できるだけ的確に買取相場をつかむ方法を解説
 

個人情報を入力しなくても査定相場がわかる?

一括査定サイトや買取店のサイトで査定を依頼する時には、氏名や住所など個人方法の入力が必須。これは「買取店が査定に来る」ことを前提にしているからだが、「すぐ売る気がない」「とりあえず査定額がどのくらいか知りたい」という人はいるだろう。

査定額をあらかじめ知ることができたら、買取店との交渉しやすくなる。個人情報の入力をせずに、査定額を知る方法と、その情報をどう活用できるかを考察。オトクに車を売却できる方法について考えた。

 

個人情報なしで査定額を調べられるサイト

匿名でおよその査定額を知る方法はいくつかある。一番てっとり早いのが、自動車メーカーが提供している下取り価格のシミュレーターを使う方法だ。

トヨタのサイトには、ディーラーでの下取りを前提とした参考価格シミュレーターがある。使い方はいたって簡単だ。

トヨタのサイトでは最初の画面でメーカー、車名、年式を入力すると、ボディタイプ・モデル(型式)の選択画面に切り替わる。続いてグレードの選択画面になる。入力を終えたら、参考価格が表示される。

自社製の車はもちろん、他社製でも参考価格を調べることができる。ただし国産車のみだ。

・トヨタ 下取り参考価格情報

 

中古車相場から予想する方法もある

カーセンサーで売られている車の価格帯から、およその査定額を計算する方法もオススメ。その手順を説明しよう。まず、パソコンでカーセンサーのトップ画面を開き、知りたい車種を一つ選択して検索。物件一覧に遷移するので、車種のモデル(型式)を選ぶ。検索パネルの上に「価格相場情報」が表示される。

 ▲物件一覧画面。単一車種で検索すると、赤枠内下部の「詳しく見る」で中古車相場が表示される ▲物件一覧画面。単一車種で検索すると、車種の様々な情報が表示される。赤枠内下部が「価格相場情報」

価格相場情報の欄内にある「詳しく見る」をクリックすると中古車相場へ遷移する。「本体価格と年式」「本体価格と走行距離」「年式と走行距離」ごとに、車種の分布図が表示される。

以下は例を挙げて説明しよう。売りたい車が「トヨタ アクア 2014年式・1.5L(グレード)」だとする。走行距離は「5万km」だ。最初に「年式と走行距離」のグラフで、自車の走行距離が平均より多めなのか、少なめなのかをチェック。

 ▲縦軸は「年式」、横軸の「走行距離」。年式ごとに平均的な走行距離がどれくらいか検討がつけられるはずだ ▲縦軸は「年式」、横軸の「走行距離」。年式ごとに平均的な走行距離がどれくらいか検討がつけられるはずだ

縦の「2014年(H26年)」と横の「5万-7万km」の交点点を眺める。すると「2014年式の中で5万kmのアクアはオレンジ色に塗られたボリュームゾーンの中にある」「しかし同年式の平均より、ちょっと多めの走行距離」だと判断できる。

次に「本体価格と年式」のグラフに切り替え、「2014年(H26年)」の列を見る。

 ▲本体価格×年式の表。そのモデル全体のデータだけでなく、グレードなどを絞って表示することもできる ▲本体価格×年式の表。そのモデル全体のデータだけでなく、グレードなどを絞って表示することもできる

一番濃いオレンジのボリュームゾーンが90万円台と100万円台なので「同年式では90~100万円が相場なのだ」と分かる。

例に挙げた物件の場合、年式の割りに走行距離が多めなので「相場の中ではちょっと低めの90万円台前半あたりが妥当な価格かな」と推測できる。

さらに「本体価格と走行距離」も調べると5万~7万kmでは80万円台が一番多く、次いで90万円台と分かり、先ほどの予想が概ね間違っていないと確認できる。地域を限定して調べることも可能だ。

なお、このグラフはスマートフォンでは見られない。スマートフォンの場合は「中古車検索」で自分の車と同じ条件(車種、年式、走行距離、グレード、オプションの有無など)を入力し、掲載車両の本体価格から推測するしかない。手間ではあるが、個体のコンディションに応じた現実的な販売価格が分かる。

もちろん、これは販売価格なので、査定額を知るためには買取店や販売店の手数料、オートオークションの出品料などを差し引く必要がある。その割合は車種によって異なるが、およそ売却価格の2~3割程度と言われている。

今回の事例の場合、90万円から2~3割引いた「60~70万円あたりが買取店が提示する査定額の上限かな」と推測できる。

 

匿名で調べた2パターンの査定額を比較

それでは、先ほどの自動車メーカーによる下取り参考価格シミュレーターでも同条件で入力し、検証してみよう。

トヨタのサイトで弾き出されたのは「59.0万円」と、なかなか良心的な金額。一般的に下取りは買い取りより査定額が低いと言われているので、カーセンサーの中古車相場で導き出した予想査定額は大きく外れていないと思われる。

ただし、シミュレーターの金額はあくまで参考価格。この金額で必ず下取ってくれるわけではない。そもそも走行距離や塗装の状態などを考慮していないのだから、状態によっては算出された価格とかなり差が出るだろう。

 

個人情報アリだが、査定額を精度高く知る方法

実は、もっと的確に査定額を知る方法もある。JAAI(日本査定協会)では、個人向けに車の査定を行っていて、未修理や修理済みの事故車にも対応している。公平な立場から査定してくれる。

これは申込みの際、氏名や住所などを伝えなくてはならないため、匿名とは言えない。しかし、売却が前提ではないため、買取店に営業されることはないのがポイントだ。

出典:JAAI公式サイト

▲JAAIの査定に要する時間は30分程度。価値を証明する査定証も発行してくれる 出典:JAAI公式サイト

ただ、ネックとなるのは、査定が有料であること。普通車の場合、支所への持ちこみで7,040円、出張査定の場合は別途4,000円前後かかる。合計1万円以上の出費となり、その分の元が取れるかは買取店との交渉次第だ。各支所の連絡先はJAAIのホームページに記載されているので、査定して欲しい人は最寄りの支所に連絡してみよう。

 

査定額は「あくまで目安」と心得るべし!

査定額を個人情報の入力なしで推測する方法を紹介してきたが、その金額に固執するのはNG。「○○円じゃなきゃ売らない!」と意固地になると、売るべきタイミングを逃し、結果的に損をする可能性すらある。

そもそも、どんなに調べても正確な査定額を知ることは難しい。だからこそ、複数の買取店に査定をしてもらうことが重要。「一括査定」を利用し、複数の査定額の中から最も高い金額を提示してくれた買取店を選ぶことが、オトクに車を売却するコツだ。調べた査定相場は、あくまで目安として活用しよう。

text/田端邦彦
photo/田端邦彦、Adobe Stock