180SX（日産）の車買取・車査定

1989年に登場した日産180SX（ワンエイティエスエックス）は、S13型シルビアを仕立て直したノッチバック（構造上はハッチバックながらトランクを備えているようなスタイル）の3ドアクーペです。5ナンバー枠のコンパクトなボディに駆動形式がFRという組み合わせは依然として厚い指示を受けており、後継車不在もあって、改めてその人気が再燃しています。そこで180SXの中古車小売価格を通じて買い取り相場を考察します。

日産180SXが生産されたのは1989年4月から1998年12月まで。ロングセラーモデルだけあり、2度のマイナーチェンジに加え、数度の一部改良を受けています。まずは、その変遷を振り返ります。1989年4月のデビュー時に搭載されていたエンジンは1.8LのCA18DET型直列4気筒DOHCガソリンターボ（175ps）であり、5MTと4ATが組み合わされます。サスペンションはフロントがマクファーソンストラット式。リアがマルチリンク式となっています。当初のグレード展開は「TYPE I」と「TYPE II」の2種類のみ。「TYPE II」にはメーカーオプションとして「HICAS-II」と呼ばれる四輪操舵システムが用意されていました。また、翌年には500台限定の特別仕様車「TYPE II レザーセレクション」が追加されています。本革シートや本革巻きステアリング、本革巻きシフトノブなどを装備する仕様でした。

1991年1月に最初のマイナーチェンジを受けています。エンジンがSR20DET型2L直列4気筒DOHCガソリンターボエンジン（205ps）に変更。ちなみに、排気量はアップしたものの車名は従来どおり180SXを継続しています。四輪操舵システムの「HICAS-II」も進化して「SUPER HICAS」となりました。この翌年には新グレードとして「TYPE III」も追加。専用オートエアコンなどが採用されています。続く1994年1月にはグレード展開が整理されました。「TYPE III」は「TYPE X」になり、「TYPE II」は「TYPE R」となっています。このとき「TYPE I」は廃止。さらに1995年5月、運転席SRSエアバッグを全車に標準装備しています。また、新デザインの15インチアルミホイールも採用されています。

1996年8月に2度目のマイナーチェンジが実施されました。エアロタイプの大型フロントバンパーやスカイライン風の丸型テールランプ、大型リアスポイラーなどにより外観を変更。新たに、ノンターボのSR20DE型2L直4ガソリンエンジンを搭載する「TYPE S」グレードも設定されています。また、オートエアコンやABSが全車に標準となった他、キーレスエントリーも設定（TYPE Xのみ）されました。1997年10月には2LのNAエンジンを搭載する「TYPE S」をベースに、オーディオやエアコンなどの装備を充実させた「TYPE G」グレードを追加しています。同時に「TYPE S」にはサイドシルプロテクターと大型リアウイングを装着。よりスポーティなフォルムとなっています。

では、日産180SXの年式、走行距離などを加味した中古車小売価格から、買い取り相場を想定します。カーセンサーネットに登録されている180SXは、すでに生産終了から20年以上が経過しているにもかかわらず豊富で、しかも中古車小売価格は高騰しています（中古車平均小売価格265.7万円／2023年3月現在）。中古車小売価格帯を見ても98万～360万円（2021年2月時点）と、一部の高価な中古車が平均をつり上げているのではなく、全体に高値を維持していることがわかります。以上を考慮して180SXには付加価値が付いていると言えます。

低走行距離になると、さらに180SXのバリューは高い傾向にあります。このことは相対的に買い取り査定の強みにつながる可能性があるものの、生産されてから経過した年月を考慮すると低走行車は少ないのが実情です。20,000km未満の180SXの中古車平均小売価格は505万円／2023年3月現在です。20,001km～40,000kmの中古車平均小売価格は365.6万円／2023年3月現在となっています。

また、同じ年式や同程度の走行距離の中古車であっても人気色と不人気色では、一般的にボディカラーによって買い取り査定に差がつくことがあるといわれます。180SXの場合、ホワイト系とブラック系が人気で、これにレッド系、シルバー系などが続きます。また、一般にはマイナス査定の要因になることもあるオールペイント（全塗装）が施されている中古車であっても、高値が設定されているケースがあります。ボディカラーの中古車小売価格への影響は大きくなさそうです。

人気のオプション装備という観点から見ると、レザーパッケージなど豪華な装備が存在します。また、日産180SXはチューニングやドレスアップのベース車両として人気があったことを背景に、車高調整式のサスペンションなどアフターマーケットのパーツが付いている中古車が多いのも特徴です。カーセンサーネットに登録されている中古車にしても、こういった人気のアフターパーツ装備を積極的にアピールしている傾向にあるので、アフターパーツ装着がマイナス査定にならない可能性があります。

以上、ここまで日産180SXの中古車小売価格を見てきました。一般的に買い取り相場は、中古車小売価格の7割程度が目安とされています。あくまで平均ではあるものの、上記の中古車平均小売価格から買い取り査定の相場感をつかむことができます。買い取り価格は年式や走行距離、装備や程度によって異なるものの、目安として参考にしたいところです。

日産180SXの中古車はプレミアム化の傾向があり、買い取り査定でも好条件を引き出せる可能性があります。それだけに、一括査定サービスなどを利用して、数社の見積もりを比較しながら、最も良い条件をスマートに引き出したいところです。カーセンサー簡単ネット車査定なら、売却したい車のメーカーや車種などを入力すれば、一括で査定のお申込みができるようになっています。下取りより査定額が高価になるケースがないとも言えません。上手に活用して、車の売却や買い替えをお得に成功させましょう！

＊1 カーセンサーネットにおける問い合わせ数などで人気を判定しています
＊2 本文中記載のスペックはすべて新車発表時のメーカーカタログ値です